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うたのこころとありがとうの日々 〇ArisA●


by arinco_arisa

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思い出す

だんだん色々思い出してきたので、記すことにする。

縁の塊のような今回の公演。
どこかで見たことあるような名前が連なっていたが、パパタラを観たことがある人も何人かいた。
中でもびっくりしたのは、3年前のpai卒業公演を観に来たことがあって、私の作品を覚えてくれている人がいたことだ。
すごく感動したと言ってくれて、嬉しかった。

あの作品は、生まれて初めて誰かと恋をして、そのことでとてつもなく動いた自身の内面の一番奥の、芯のようなものに旅に行って、生きる喜びを、リアルさを実感したような感情があった作品で、かなり特別な思い入れがありました。
良くも悪くもとてつもなく純粋だったと思う。
いわゆるパフォーマンスとして面白いかという演出意図は全くなく、ただ、ただ、私の世界をやった。批評も感想もどうでも良かったから全部無視した。私だけしか正しいことを知らないと思ったからそれを信じたし、やるべきことは光の道みたいにはっきりと見えた。

だけど、そんな個人的な作品でも、観てくれて感動してくれた人がいた。
自分の中の正直さというものは、私の場合は揺らぎがちになってしまうが(それでバカをやる)、恋というのは、それを貫くことを許してくれたり、不安を緩めてくれるように思う。社会生活的にはどう影響するかわからないけど、少なくとも表現においては、そうなのだ。

恋が出来ない人は歌い手にはなれないと私は思う。私自身がそうだったから。
10代くらいのとき、私は恋が出来ないんだと思った。今となっては、ただ、一歩が怖かっただけだとわかったけど。
かつての素晴らしい歌い手たちが残していったような、バラ色の声は私には出せないんじゃないかと思った。
あの刹那的な悲しみや、喜びが吐息にすら混じっているような声。
それがコンプレックスでジレンマで、その結果マニアックにテクニックを磨くことに没頭した。のがあの声なんです。

今は少しだけ経験値が上がって、もうコンプレックスは無い。というか、悩んでも消えないものは消えないんだから、悩まなくなった。

カーデューのパラグラム7で色んな人の間を行き来すると、人の生き方みたいなものが本当に如実に感じれるから、痺れてしまった。私もまたその一員なのかと思うと、つくづく生きている限りにおいて、孤独というのは有り得ないんだと思った。生きているというだけで、誰かに作用するのだ。
とても幸福な気持ち。
by arinco_arisa | 2009-07-07 09:01 | daily